■ トヨタ S800 加速性能を落とさないで クーラーを新設 補助エンジン方式 ・ 燃料燃焼方式ヒータの改造新設 | |||
カーソルを当てると写真が変化します | 改造前の考察 今回の改造については、ご覧の方の中でも色んなご意見があると思いますが、あえてこんな改造も有るという事を ご覧いただきたいと思います。 今回も当社ホームページを見てご連絡いただきました。 大切にされているヨタハチ ですが、 とにかく夏には暑くてとても乗れないので何とか涼しく快適に乗れないかとのご依頼でした。 当社ではヨタハチにクーラーを取付けるのは元々の設計思考から外れているのではないかとも考えましたが、真夏の 暑い時期に乗れない又は我慢して耐えるような自動車が果たしていい車なのか? そこで、思い切って改造を受けさせていただき、オールシーズン快適にお乗りいただける自動車に仕上げさせて いただく事にいたしました。 独自のノウハウが有り、詳しくお伝えできなくて残念ですがお気軽にご相談下さい。 この自動車は空冷4サイクルで最高でも45馬力の出力しかありません。 以前、どこかで走行用のエンジンに コンプレッサーを取付けて改造された例がありましたが、とても普通には走れたものではないそうです。 そこで当社では産業用の空冷4サイクルエンジンをトランクに取付け走行用エンジンの性能を落とさない (出来れば助ける位) ように改造する事にいたしました。 軽量が売り物のヨタハチですから、補助エンジンを取付けるには車体強度が低く、防振対策のため、車体の補強や、 遮音対策など多くの問題点を克服していきました。 物は小さいですが非常に中身の濃い改造です。 |
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補助エンジン式クーラについて 室内を冷却する方法は冷媒(一般的にはフロンガス)をエンジンの動力を使って圧縮する方式が通常ですが、プリウス のようにモーター式のコンプレッサーで冷媒を圧縮する方式もあります。 また、電気素子で電気的に熱を移動させる 熱電対方式の冷却気もありますが、いずれにしても直接エンジンの動力を使うか、発電機で発電した電力で冷やすか だけの事で、この非力なヨタハチのエンジンで室内を冷却させると走行させるに必要な動力を使ってしまい、 クーラをかけると加速できなくなってしまうので、実用的ではありません。 加速時にコンプレッサーをカットする装置を 作っても、冷えが悪いし高速時のクルージングでは殆んどコンプレッサーが入らないし、無理やり作動させても今度は 最高スピードが出ません。 そこで、今回は馬力を犠牲にしないよう、別に補助エンジンをどこかに搭載して室内を冷却するように設計しました。 左写真の様にどこもコンパクトでエンジンやコンプレッサーましてやエバポレータを搭載するスペースなどほとんどあり ません。そこで、産業用の4サイクル空冷エンジンを別置きしてクーラーを作動させる事にいたしました。 |
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車体の補強 5馬力程度の補助エンジンでも自動車用とは異なり常に最大出力付近で運転すると、振動や騒音の点からこの ヨタハチでは振動が大きすぎて使い物になりません。 そこで、スペースの許す限り排気量、馬力の大きなエンジン を採用し出来るだけ適正な低出力領域を使用域とします。 走行用エンジンを始動していなくても、補助エンジン だけを使って冷却用コンプレッサーや装置を作動させるための電気を作る発電機を充分に作ります。 勿論夏場の停滞路でもオーバーヒートしないようにエンジンやコンデンサの充分な冷却を考えました。 仮にクーラーを使用していない状態でも補助エンジンを起動させていれば、オリジナルの発電機の発電を助ける ので、その負荷分加速性能が上がります。 車体は軽量化の為か、フロアを始め各部の鉄板は薄く補助エンジンを搭載する為の強度はないので、各部に補強の ための改造を実施します。 トランク内は高さが30センチしかないのでこれに入るエンジンを探すのは大変です。 やっと見つかったエンジンを更に改造して何とか搭載できるようになりました。 上の写真でトランクの回りのウエザーストリップ付いていませんが、左写真のように防音の為に他車の ウエザーストリップを探し出して取付けました。 このおかげで遮音効果が増大しました。 |
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補助エンジンの取付け法 エンジンやコンプレッサーをそのままヨタハチのボディにマウントゴムで取付けもとても持ちません。 そこで、上図の様に フロアを加工して取付け場所付近を強化し、さらにエンジンとコンプレッサー、発電機を一体の台座を製作して取付けて 最適なプーリを別注製作しベルト駆動で動力を伝えます。車体との取付けは防振ゴム(エンジンマウントゴム)で連結 します。 高さは勿論の事、奥行きもないのでマウスマウスオンした写真の様にエンジンとコンプレッサとを向かい合わせで レイアウトします。 これでスペアータイヤをトランク内に収める事ができました。 走行用のエンジンは距離を目安にオイル交換しますが、補助エンジンには目安に出来るものがないので、トランク内に アワーメータ(使用した時間を表示するメーター)を取付けてオイル管理する事にしました。 |
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防振・防音対策 シート後部隔壁の後部にエバポレータ (空気を冷やして風を室内に送る装置)を取付けます。 エンジンの騒音は 結構大きいので、防振、防音対策を充分にとります。 原付の音よりははるかに小さく、走行用のエンジンを起動させ ていれば車のそばにいる人は別置きエンジンが動いているとは多分気づかない位まで音が静かになりました。 トランク内にエンジンを取付けると発生する熱量はかなり大きくなるので、詳しくお見せできないのが残念ですが、 ラジエータ冷却用の電動ファンをつけて室外へ放熱させます。 |
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室内機の製作・改造 今回の改造では、ハードトップの格納スペースに室内機を搭載するので、ドライブ中にハードトップを外して、 オープンカーにはなりません。 しかしながら、逆にクーラーがあるので暑い夏に直射日光を浴びることなく、涼しく ドライビングできます。 どちらを選ぶかはお好みですね。 後部の補助エンジンの音を遮へいするために、座席後部の隔壁と、エバポレーター上部に作ったパネルの裏側には 防音・防振剤をびっしりと貼り付けました。 また、質感向上の為パネルにはクッション剤の上にレザー貼り処理を 施しました。 ヨタハチをご存知ない方が見たら、何も改造していないと思われるでしょう。 |
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操作パネルの製作 操作の為のスイッチ類は、改造している事が判らない様な控えめなクラシックなデザインにこだわりました。 室内操作パネルメインスイッチをONにしてセルボタンを押すとセルモータが回転しエンジンが動きだします。 左から3番目のダイアルスイッチを回すと送風機ファンが動き出し(3段階式)後パネルから風が吹き出し始めます。 一番右のスイッチをONにするとコンプレッサーが作動し、 同時に車体フロア下部に付けている別注製作した コンデンサーの冷却用ファンが回り始め室内に冷たい風が気持ちよく噴出します。 冷え過ぎて冷媒がリキッドバックしないように、電子式サーミスタをエバポレータに取付けします。 更にそれが故障 したり、長期間使用されてエバポレータコアが閉塞したり、ファンモータの風量が低下した場合に念のため、機械式の サーモスイッチで凍結した場合に強制的にコンプレッサーを停止させるようにしました。2重の安全装置です。 |
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電子制御式燃料ヒーター 純正のヒーターが故障していてとても修理できる状態ではなく、今回クーラーの改造と併せてヒーターも改造して 搭載する事にいたしました。 水冷のエンジンならヒーターラジエータを作れば簡単に改造出来るのですが、ヨタハチ は空冷なので冷却水がありません。 また、どちらかと言うとオーバークール気味なので本当に寒い地域での走行 では、エンジンの熱を室内に導入しても暖かくなりません。 そこで燃焼式の補助ヒーターを取付けることにしました。 有名なのはバベストと言うメーカーがありますが、今回は代理店の勧めもあり、イーベルスペッヒャー製電子制御 方式の燃料ヒータを取付ける事にいたしました。 |
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イーベルスペッヒャー製ヒーター このヒーターはさすがドイツ製で品物も非常にしっかりと作ってあり、ブラケットは改造して製作しますが、ヨタハチの 狭いエンジンルームにもぴったりと取付ける事ができました。 始動時にこそ電気ヒーターで装置内部を暖める為に20アンペアー程度電流が流れますが20秒程で動き出すと、 3アンペアー程度しか電気を消費しないのでこの車にとって非常に相性の良い装置です。 電子式で制御しているので、機械式の燃料ヒーターでは難しかった弱燃焼時での使用でも連続で安定した 燃焼が保持され、気持ちの良いさわやかな温風が出ます。 カタログでは8時間連続使用してもガソリンを1リットル しか消費しないので非常に経済的です。 ワーゲン・バンの後部ヒータとして、キャンピングカーの室内ヒーターなどにもお勧めの品です。 |
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