■カローラ20系 これからも長く調子よく乗れるように! スワッピング&レストア 平成19年7月~ | ||||
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今回の改造の最大の特徴は、FF用エンジンをFR車に載せる事です。 車検して公道を走れるだけでなく、 101系の電子燃料噴射システムを完全に20系に移植しました。 ステアリングシステムをパワステ無しのギヤーボックス法式から、ラック&ピニオン法式のパワーステアリ ングに変更し、操縦安定性、俊敏性の向上だけでなくパワステ化することによって操作性、快適性を高める 事が出来ました。 横置きエンジンを縦向きに変更するのは色々な問題が生じます。 この20系の狭いエンジンルームに押込む 為に吸気、排気のレイアウトの変更から始めました。 始動用のセルモーターは元々101系では、吸気側(エンジ ンルームの奥)に配置されていますが、後でお話し致しますが、排気側に変更しました。 排気パイプがエンジン に対して直角に出ているので完全に20カローラの左側フレームとぶつかってしまいます。 吸気系もサージタン クが大きすぎて全く取付け不可能です。 そこで、マニホールドを製作することに致しました。 その他、幾つもの前例のない改造を致しました。 詳しくお見せ出来ませんが、快適に、安心して末永くお乗り いただく為の改造をしております。 |
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入庫時の現状 古い割には、状態は良くこれならスワッピングしても、今後も長く乗って行けそうです。 お客様のご希望で 101系のエンジンに乗せかえる事になりました。 エンジン出力が大幅に増えるので、駆動系のチューンナップが 必要になりそうです。 横置きタイプの新型エンジンを積載するにはエンジンルームが余りにも狭く、給排気系、ハンドル廻り、 クーラー補機類等の大幅なレイアウトの変更が必要です。 |
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改造前のエンジン 縦置きのキャブレタ法式のエンジンを、横置き型電子燃料噴射法式のエンジンを縦向きに載せます。 改造前のこの自動車は、シングルキャブレータ法式でエンジンルームもゆったりと見えますが、101系の エンジンを載せるとなると、何回測定しても、各部で寸法が足りません。 ジグゾーパズルを解くように図面 を何十枚と描いて、切り合せ、各構成部品をはめ込んで行きます。 後で変更が不可能な改造が多いので、基本的なデザインをこの段階で細かく設計します。 新エンジンのラジエータやクーラーコンデンサはフロントグリル、コアサポートとフロントバンバーの間が 狭い事と、外観を変更出来ないので20系のものをそのまま改造して取付ける事にします。 |
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ドナーカーの様子 101系のドナーカーのエンジンを取外した様子です。可能な限り取り外せるものは全て取外しておきます。 FFの駆動方式なのでサスペンション廻りは使えません。 エンジン出力が大幅に増えるので、 86系の サスペンションを探してブレーキブースターの無い4輪ドラム法式から、マスターバック付きのフロントディスク ブレーキ法式に改造します。クーラーも旧タイプのR12冷媒から新ガス134aに改造します。 |
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ドナーエンジンの再生修理・オーバーホール 101系のエンジンを取外した所です。 状態に良いエンジンなので、オーバーホールしてタイミングベルト類、全てのオイルシール類を交換します。 写真では判りませんが、セルモータは標準では奥側にあり、86系の5速ミッションは逆に手前側に配置しな ければならないので、セルモータを改造して排気マニホールドの内側に取り付けなければなりません。 |
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エンジンの仮付 設計通りにエンジンが組み込めるか、仮に載せてみました。 室内の仕切り板(カウルパネル)とエンジン後部 のサーモスタットハウジングやディストリビュータが当たって全く取り付け不可能です。 更にラジエータホース類 も奥に配置されているので、大変な改造になりそうです。 ラジエータとの隙間やミッションの取付け具合、その他付属廻りのレイアウトを考慮しながら4AGエンジンの取付 け位置を決めます。 この寸法が狂ってしまうと後でとんでも無い事になってしまうので、ミリ以下の精度で位置 決めをします。 |
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エンジンマウントの製作 エンジンの位置が決まったら、それに合わせてエンジンマウントを製作します。 エギゾーストパイプや、クーラー コンプレッサー等と干渉するので形状だけでなくマウントブラケット自体も一から高級炭素鋼で製作します。 マウント取付け位置の寸法が1ミリ狂うと、ミッション後部では7ミリ狂ってしまいます。溶接時の歪みも考慮し ながら、慎重に製作していきます。 |
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マスターバックの改造・新設 吸気マニホールドが完全に干渉してしまうので、大きな101系のオリジナルは装着できません。 更に、ブレーキマスターバック(倍力装置)を取付ける為に、アクセル、ブレーキ、クラッチ各ペダルを少しずつ 操作感が変わらない様、右方向に移動させます。 改造後のこの写真では自然に取付けているように見えますが、これも大改造でした。 フロントをドラム式からディスクブレーキに改造したので、マスターシリンダーもディスクブレーキ用に変更、 後輪がロックしないようにPバルブを新調し、作動油圧を調整しました。 |
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ブレーキ廻りの改造・フロントディスクブレーキへ 4輪ドラムブレーキを86系カローラのフロントストラッドに変更した様子です。 20カローラはパワステが無く、操舵力を軽くするためにキャスター角が余りつけてありませんが、この改造で 今回は、パワステ付きになり操惰力が軽くなったので、直進安定性を向上させる為にキャスター角を増や しました。 パワステのお陰で操舵力は小さく、高速安定性のあるサスペンションに仕上げる事が出来ました。 |
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ハンドル廻りの改造 101系のエンジンと20系のエンジンとは全く形状が異なり、ハンドル廻りのセンターロッドがエンジンオイル パンに完全に干渉して、どの様にオイルパンの形状を変更しても取付け出来ません。 そこで思い切ってギヤーボックス法式から、101系のラック&ピニオン法式のステアリングシステムを 移植する事にしました。 クロシメンバーのすぐ後側に取付けるのですが、これでもミッションと干渉するので、 様々な改造をします。 ラック&ピニオンにする為にまハンドルシャフトの改造をします。 左写真の上側が20系、下側が101系の ステアリング装置です。 一目でお判りと思いますが、両者は全く構造が異なり、残念ながらお見せ出来ま せんがハンドル付近は20系ラック&ピニオン付近は101系に改造しました。 |
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ハンドル廻りの改造ー1 ステアリングシャフトが完成し、ラック&ピニオンと連結した様子です。 この後、高圧の油圧ホースやパイプ類を 改造して取付けていきます。 |
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ハンドル廻りの改造ー2 油圧ホースを特注し、ジョイント類は当社で改造し、配管が完了した様子です。 フロントスタビライザーは本来ラジエータ下部に前向き配置されていましたが、4AGエンジンと完全に干渉して しまうので、逆方向の後向きに改造取り付けしました。 ラック&ピニオンや各配管類、排気管、ミッションなどが ぎっしりと詰まっていてその僅かな隙間を作って装着しました。 |
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エギゾーストマニホールドの改造 エギゾーストマニホールドを改造します。 前述の様に、FFタイプのエンジンをFR用に変更するので、 クランク軸に対して直角に出ているパイプをクランク軸に対して並行にしなければなりません。 セルモータは 101のオリジナルではエンジンの右側にありますが、ハンドルシャフトに干渉してしまうためにどうしてもエンジン の左側に取り付ける必要があります。そのためにセルモータを逆回転するように改造します。 また、改造した セルモータを抱き込むようにエギゾーストマニホールドをレイアウト変更します。 この写真はとりあえずパイプ を仮付けした所です。 この後特殊溶接で各部を溶接し仕上げていきます。 今は広く空いているようですが狭いエンジンルームなので、 この後に装着するパワーステアリング、クーラホース類、電気配線のスペース、、エギゾーストパイプの等長性 (排気干渉)、排気熱の為の耐熱性等の事項を考慮して極力コンパクトに仕上げます。 |
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排気パイプ類の改造・製作 エギゾーストマニホールドの製作後、車両に合わせて写真の右から順に、エギゾーストパイプ、触媒、フランジ を製作します。 エンジンルーム以上に床下のスペースが無く僅かな隙間にパイプ類を曲げながら溶接し取付け ます。 20系の排気パイプは40ミリ以下と細く、今回使用する101系のパイプは50ミリ以上もあり、 クロスメンバーやミッション、プロペラシャフトトンネルの狭い隙間を縫うように通すのは高い精度が要求されます。 通常はアセチレンガス溶接で軟鋼溶接棒を使ったり、ロウ付け等で、加工しますが、当社では、これらの溶接加工 は全てステンレス・ティグ溶接で施工し、耐熱、耐腐食性を向上させています。 これによって改造製作した排気管類は長期のご使用でも腐食などによる排気漏れは発生しません。 |
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マニホールド廻りの改造 4AGエンジンの吸気マニホールドは非常に大きなサージタンクと一体になっており、写真のようにブレーキ ブースターを新設したので通常では全く装着出来ません。 アクセル、ブレーキ、クラッチマスターシリンダーを出来るだけ左に移動させたにも関わらず4番スロットルと 完全にぶつかってしまいます。 そこで、思い切ってインテークマニホールドを製作する事に しました。 吸気抵抗や、吸気の充填効率が低下しないような形状のマニホールドを設計しました。 |
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吸気サージタンクの製作 折角作るのですから、視覚的、耐久性、質感を考えて、ステンレス製でサージタンクを製作しました。 サージタンクは出来るだけ容積が大きいものが良いのですが、横置きエンジンのレイアウトの為、4番シリンダ 付近が極めて窮屈です。 この為にブレーキブースターやクラッチマスタと干渉しないように、写真の様な形の サージタンクを作製しました。 裏側(下部)にはエアーフローメータに連結させる為の、ジョイントがあります。 このタンク内部には吸気の流れを最適にするための工夫をしています。 |
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冷却水回路の改造 冷却水回路はサーモスタットや、エンジンからの冷却水出入り口ハウジング、ヒーターホース類の全てがエンジン の後側に配置されているため、車両の最前方に取付けてあるラジエータと連結させる為にどうしても写真の様な 連結パイプを作らなければなりません。 例によってこのパイプはステンレスで製作いたしました。 |
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電動ファンの製作 ラジエータは20系の雰囲気を残す為にフロントグリル廻りを改造できないので、20系のラジエータを 利用し、101系のサブタンクを増設しました。 101系のエンジンでは冷却法式が電動ファンなのに対して、 20系はエンジンの回転をそのまま、直結のファンで回っている為、電動ファン装置を改造して、製作しました。 |
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クーラー装置の改造(新ガス対応型に) 詳しくお見せ出来ないのが残念ですが、 旧ガスクーラーから101系の新ガスを使えるように改造しました。 20系の配管は真鍮製で、101系ではアルミ製です。 この為に新旧の配管を溶接接合する事ができません。 特殊なジョイントで異種金属を接合します。 アルミの配管は当社お得意の溶接技術でサービスバルブや、レシーバーを溶接加工しました。 |
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燃料タンクの改造 キャブレータ法式のエンジンから電子燃料噴射式のEFIエンジンに変更するとなると、燃料回路、配管類も全く 異なります。 101系では、インタンク法式の燃料ポンプで、これは、燃料タンク内に電気ポンプが浸かって配置されています。 排出される燃料も通常3㎏/㎝2もあり、少しでも漏れれば大変な事になります。 排気ガス規制に対応する ために、燃料系全システムを閉鎖回路にする必要があります。 キャニスタ回路は当然のことながら、 燃料循環用の戻り配管などを、燃料タンクを改造します。 |
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燃料ポンプの製作 燃料ポンプをタンク内に入れるにはタンクレベルゲージユニットの開口部があるのですが、余りにも小さく、 より大きな穴を開けなければなりません。 しかしながら、安全性から燃料タンクだけはその様な改造が出来ないので タンクのすぐ近くに写真のような燃料ポンプを改造、製作しました。 中身はもちろん101系の電気ポンプです。 この後の燃料廻りの配管は残念ながらお見せ出来ませんが、車両前方のエンジンまで、何本もつなげました。 |
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完成! 電子制御法式のエンジンですから、配線もかなりの量になります。 配線図をにらみっこしながら1本1本結線して 仕上げて行きます。 ハーネスは振動や熱で不具合が出ないようにコルゲートチューブで被覆します。 室内は当初の予定通りにクラシックな雰囲気を壊さない様に仕上げます。もちろんクーラーもよく冷えています。 改造前は90キロ程度の速度がやっとでしたが、100キロ以上の速度でも余裕の走りです。 燃費も格段に改善 されました。 |
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